中古品やリユース品の販売を副業や本業として始める個人事業主が増えている今、「古物商許可」の取得は避けて通れない重要なステップです。
フリマアプリやネットオークションなど、誰もが簡単に売買できる時代だからこそ、知らずに法律違反となってしまうリスクもあります。
本記事では、古物商とは何か、なぜ許可が必要なのか、そして個人事業主が許可を取得するための具体的な手順と注意点を、わかりやすく解説します。
古物商許可とは?個人事業主が知っておきたい基礎知識

古物商とはどんなビジネスか
古物商とは、一度消費者の手に渡った中古品やリユース品を買い取り、再販するビジネスを指します。
具体的には、古着、中古家電、古本、アンティーク、ブランド品などを取り扱う業態がこれにあたり、メルカリやヤフオクなどで中古品を販売する副業が広まったこともあって、個人レベルでも古物商の届け出が必要なケースが増えています。
なぜ古物商許可が必要なのか
盗品の売買防止や、犯罪収益の流通を防ぐため、古物営業法によって、古物を取り扱う事業者には警察署への許可申請が義務付けられています。
これにより、売買の履歴を管理する体制が整い、社会的信頼も確保されます。
許可なく営業した場合、罰則を受ける可能性があるため、事前の取得が必須です。
個人事業主でも許可が必要なケースとは
個人事業主であっても、反復・継続して古物を販売する場合は古物商許可が必要です。
たとえ趣味の延長であっても、営利目的があると判断されれば対象になります。
特に、インターネットを通じて定期的に売買している場合には注意が必要です。
私も中古カメラの販売をしているのでもちろん、取得しています。
古物商許可を取得するための条件と資格要件

申請者に求められる要件
申請者が成人であり、犯罪歴などの問題がないことが基本です。
また、日本国内に住所がある必要があり、人ではなく、個人として申請する場合は、本人がこれらの条件をすべて満たしていることが求められます。
欠格事由に該当する例
過去5年以内に禁固以上の刑に処された人や、暴力団関係者、破産手続中の者などは、古物商許可を取得することができません。
これらは欠格事由と呼ばれ、警察署の審査で厳格にチェックされます。
営業所や保管場所に関する要件
- 営業所の所在地が明確
- 古物を適切に管理できる環境が整っている
- 自宅で営業する場合でも、所有権や賃貸契約など、使用権限を証明する書類が必要
自宅が賃貸の場合は賃貸契約の内容を確認して、事業利用か可能かどうかの確認を必ずするようにしてください。契約によっては事業利用を許可していない場合もあります。
個人事業主が古物商許可を取得する手順

ステップ1:事前準備と必要書類の確認
古物商許可の申請には、いくつかの書類を用意する必要があります。
まずは、住民票や身分証明書、営業所の使用権限を証明する書類など、基本的なものを揃えましょう。
住民票・身分証明書
住民票は、本籍地が記載されたもので、発行から3か月以内のものを使用します。
身分証明書は市区町村で取得可能で、破産歴や成年被後見人でないことを証明する公的書類です。
営業所の使用権限を示す書類
自宅などを営業所とする場合には、賃貸契約書や使用許可書など、使用権限があることを証明できる書類が必要です。
親族名義の持ち家を使う場合も、同様に使用承諾書が求められることがあります。
ステップ2:申請書類の作成と書き方
申請書は、各都道府県の警察署やホームページで入手可能。
書き方には細かいルールがあるため、間違いのないよう注意して記入しましょう。
書類の記入例と注意点
例えば、業種の記載には「古物の売買」など、具体的な内容を明記する必要があります。
営業所の所在地や管理者の情報も正確に記載しましょう。
修正液や二重線での訂正は避け、間違えた場合は新たに記入し直すことが推奨されます。
ステップ3:警察署への提出と手数料の支払い
必要書類が揃ったら、営業所所在地を管轄する警察署の生活安全課へ提出します。
その際、手数料として19,000円(都道府県によって異なる場合あり)を支払う必要があります。
提出時に面談を行うこともありますが、対応は警察署ごとに異なります。
ステップ4:審査と許可証の受け取り
書類提出後、通常は40日以内に審査が完了し、問題がなければ許可証が交付されます。
交付後は、営業所に許可番号を掲示し、営業を開始することができます。
よくある失敗とその回避方法

書類不備による再提出
最も多いのが書類の不備による再提出です。
住民票や証明書の有効期限切れ、必要項目の記入漏れなどが典型です。事前に警察署のチェックリストを確認し、不備がないか慎重に見直しましょう。
営業所の要件で審査に落ちるケース
営業所が不明確だったり、居住実態がない場合、審査に通らないことがあります。
特にシェアオフィスやバーチャルオフィスを利用する場合は、使用実態の証明が困難になるため注意が必要です。
記入ミスによるトラブルとその防止策
漢字の誤字や記載内容の食い違いがあると、審査が長引く原因になります。
記入の際は公式な身分証明書や契約書を手元に置き、写し間違いがないように注意しましょう。
古物商許可取得後に必要な手続きと注意点

管轄警察への届出義務
営業所の移転や事業内容の変更があった場合は、速やかに管轄警察署へ届出が必要です。
無届けのまま営業を続けると、許可取り消しのリスクもあります。
営業開始後に必要な帳簿管理
古物の取引記録は帳簿に記載し、3年間以上保存する義務があります。
帳簿は紙ベースでも電子でも問題ありませんが、項目の漏れや改ざんがないよう注意が必要です。
表示義務(標識や許可番号の掲示)
古物商許可を得たら、営業所に標識を掲示する義務があります。
許可証に記載された許可番号や名称、所在地などを記した標識を、見やすい場所に掲示しましょう。
まとめ|個人事業主でも古物商許可はきちんと取れる!

本記事のおさらい
古物商許可は、個人事業主でも条件を満たせば問題なく取得できます。
申請に必要な書類や手続き、注意点を押さえておくことで、スムーズに進められます。
今すぐ始めるべきアクション
まずは営業所の準備と、必要書類の収集から始めましょう。
次に、申請書の様式を確認し、丁寧に記入を進めてください。この記事を参考に、確実に古物商許可を取得して、一歩先のビジネス展開に備えましょう。

コメント